整理とまとめ

まず亜門さん(id:D_Amon)とのいろいろなやりとりの中で、お互いに諒解しているだろうコンセンサスの部分。
1:イスラエル軍のガザに対する攻撃において白燐弾が使用されたこと。
2:同兵器には燃焼性(焼夷性)が存在すること。
3:同軍が同兵器を民間人が居住する市街地に打ち込んだこと。
4:3の行為が国際法に基づき違法である可能性が高い、もしくは違法であること。
5:イスラエル軍の起こした戦争被害については周知されるべきこと。

次に、コンセンサスは取れていないかもしれないものの、恐らくは最終的に一致していると考えているもの。
1:白燐弾の現行法での規制は十分ではないこと。
2:同兵器に対してなんらかの新しい規制が設けられるべきこと。
3:過去においても同兵器の使用は、適法とする形での「名分」を喧伝しつつ、実態がそうではなかった例はいくらでもあること(米軍等)。
4:白燐弾そのものは過去から焼夷兵器としても使われてきたこと。
5:イスラエル軍の過去の行動を踏まえ、今回においてもその使用方法に「問題がなかった」とする同軍の見解に対しては疑問の余地なく「問題があることを認識していただろう」と考えていること。

恐らくは諒解してもらっているだろうが、相違がありそうなもの。
1:自分がイスラエル軍のガザへの攻撃に対して、白燐弾の使用有無を問わず、そもそも民間市街地への攻撃という点で重大な問題(違法行為を含む)が存在すると考えていること。
2:亜門さんとのやりとりの中では特段必要がなかったため触れていないが、自分は1の点において、同様の理由によってパレスチナ側からの攻撃(市街地へのロケット撃ちこみ等)については否定的であること。
※繰り返しますがこれによってイスラエル軍の行為が何ら相殺されるわけではありません。

自分の側に瑕疵があったと判断できるもの。
1:自分の疑問の根拠もしくはその要因となっている記事(本件においてはガーディアン紙)の期日記載および翻訳の問題。
※自分が機械翻訳に多くの部分を頼っているのは事実で、その点でid:hokke-ookamiさんの御指摘は至極ごもっともで、逆にその指摘を頂いて腑に落ちた部分が多いことは感謝します。ただし、報道資料とドキュメンタリーの比較は、それをすることは逆に亜門さんに失礼なのではないか、とも。報道において再現やイメージ映像等を使用する場合、それは明らかにそれと分かる形か、そうでなければ「再現」「イメージ」であることを併記・注記して行うものであり、今回の亜門さんの当該記事における写真・映像はそのような「イメージ」という意図ではなく、「犯罪告発」の証拠的扱い(兵器そのものの被害の実態)での意図であるはずです。
2:国際法の改正を目指すべき、という主張の提示の仕方において、「現状における告発」を揶揄する意図があるかのように受け取られたという表現上の問題。
※これについては亜門さんとのツイッター上とのやりとりの中で、「そういう意図ではない」という点は諒解頂いていると考えています。

この瑕疵の1の点において、亜門さんには随分と時間と手間をかけて頂いた点について、ここにお詫び致します。また、法華狼さんには亜門さんと自分との中で、問題の記事の理解に対して自分のどこに問題があったのか、という点(時系列と翻訳の問題)を明確にして頂いた点は大いに感謝するものであります。改めて。

その上で、瑕疵の1が生じた理由として以下のように整理をしたいと思う。
まず、当該記事は自分のブックマーク(はてなブックマーク、ではなくブラウザの方)に残っていたもので、本件を機に改めて引っ張り出してきたものであること(その時点で期日等ちゃんと確認しろよ、というご指摘は甘んじて受けましょう)。
※ちなみに法華狼さんのコメント欄にあったようにwikipediaを参照したわけではないつもりですが、まぁ結果としてそう見えたのなら仕方のない点はあるとは思います、とだけ。ただ自分も当初からあの記事を「白燐弾被害の否定記事」として読んだわけではない点はここに書いておいてもよいかな、とは思いますが。というのと、22日の記事だけではなく16日の記事も合わせてブックマークしておりました。まぁ引っ張り出したのは漠然と記憶に残っていた方の22日の記事だけ、というのはありますが。
次に、当該記事に対しては法華狼さんの言うように死因(これはイラク時のもの)をはっきりと断定はできない、とした上で、証言を基に兵器としての運用(もしくは兵器そのもの)の問題点を提起している内容、という理解であり、冒頭部分に限らず、全文の翻訳上の問題があったとしても、この点は大きくはずれていないだろう、とは考えています。
その意味で証言の重要性、という点において法華狼さんの言うことはごもっともな点があり、証言そのものは当事者の知見に拠るものであり、またその社会上の様々な要因があって過小な証言であったり、また過大な証言であったり、という点は否めないものであるとも考えます。特に戦争のように「生き残ること」が主課題となる場における当事者、特に被害者の場合、客観的正確性など求めるのは酷でもあります。だからこそ、戦争報道の重要性、または過去の戦争における史家の地道な検証作業というのは非常に大きな意味を持っているはずです(その一例が南京事件を巡る虐殺有無の問題でしょう)。
その上で、亜門さんが指摘するように、ガザでの報道において、ある種の制約があり、必ずしも十分な報道活動が成されたわけではない、という点は重要に思えます。
亜門さんが提示した写真・動画が戦争被害であることは疑問を差し挟まないものとして(そもそもあれが戦争行為と関係さえなく生じたものを転用した、徹底したプロパガンダ=捏造である、とはさすがに考えにくく、そこを否定する必要性もないと考えます)、亜門さんが戦争被害全体を告発するものとしてそれを提示していたならば、自分も別段疑問も抱くことなく、それとして受け止めたと思います(この点で、法華狼さんが言うように、それが白燐弾に起因するものであるかどうかに関わらず、戦争被害者の証言はそれとして聞くべき、というのは真理であると思います)。
今回自分の引っかかった疑問(最初はもっと漠然と、疑問未満だったかもしれませんが)について、当該記事を改めて引っ張り出した段階で「誤った方向」でその判断を傾斜させたことは否めませんし、そこについて亜門さんがいろいろと骨を折ってくれたことは重ね重ね感謝します。結果としては、引っ張り出したことそのものが誤りだった、と言えますね。
その上で、兵器の告発として成され、戦争犯罪としての裁きを求めるのであれば、少なくともその提示物にある程度の証拠能力は必要だろう、とも考えていますし、それは今も変わっていません。これを選択的懐疑主義と言うならそう言って頂いても結構です。
自分の瑕疵はそれとして誤りを認めた上で(そもそも引っ張り出してきたものの内容理解が誤っていたわけですから、そこから正しい認識などが出ようはずもないのですが)、最終的に残った点(当該写真が白燐弾の直接被害なのかどうか)については亜門さんから「消去法による推定」の旨、を回答頂きましたので、そういうものとして受け取ることとします。また、追加でアムネスティやHRWの「白燐弾被害のもの」とされる写真等を提示頂きましたが、それについては検証されているように思えますし(少なくとも砲弾の残骸を検証するなど、断定できるだけの証拠を揃えているように思えます)、撮影日等記録写真として必要なキャプションはついていますし、それを否定する必要もないと考えます。付け加えると、民間団体やNGOがどこまでの立証責任を負うべきか、という点についてはケースバイケースとしか言いようがないと思いますが(それこそ裁判にでもなれば立証責任無し、ともできないでしょうし)、推定であれば推定、断定であれば断定で、断定なら断定なりの証拠固めをしているように見えます。
単純な話として、亜門さんが最初のエントリで提示していた写真について、その種の検証を経たものであれば、そうキャプションに入れて頂きたかったし(URLリンクでも構わないのですが)、そうでないならHRWのように疑惑は疑惑として、そうわかる形での記載(これはDIMEの使用についての記事で写真ではないですが、“確かな証拠は得られなかったが、類似した被害の症状を示している”等のニュアンスとして断定は避けるが推定であることが分かる表現)をして頂ければよかったのに、とも思いますが、今さら自分がこう言っても言い訳のように聞こえるだけでしょうから、それ以上は言いません。自分自身が記事の検証を怠った点がありますので(少なくとも亜門さんから指摘頂いている「嘘」というのはこの検証作業の不備で事実認識を誤っていた点であり、それをすっ飛ばして判断を加えたことに対して、だと理解していますが)、当然そこも自分の瑕疵に加えるべきかと思います。ただ、そこをそれとして指摘頂くのであれば、最初の記事でそうしておいて頂ければな、と。とはいえ、自分以外は誰も引っかかるものが無かったようなので、それは必要のないことかもしれませんね。

少なくとも自分が無謬でもなければ全てにおいて慎重なわけでもなく、ましてや完璧な人間とは程遠いことは十分理解しているつもりではいますので、幾人かから頂いた指摘については、また同じ過ちをする可能性はありますが、指摘頂いたことの少しでも生かしていければな、とは思いますし、「何で俺が悪いんだよ」みたいな開き直り方をするつもりもありません。また、一連のやり取りおよび法華狼さんのようにわざわざ横から補助線を引いて頂いた点については、関係各位大いに時間と手間と、時に気分を害するようなことがあったとは思いますが、感謝致します。少なくとも自分にとっては実りあるものだったと考えていますし、それを以後に少しでも生かせれば、とも思います。まぁ勝手な言い草であることは承知しているつもりです。

ここからは亜門さんや法華狼さんではなく、他の方への回答ではありますが、非対称な懐疑が良くない、とのことなので、ほぼ留保なくイスラエル軍が違法を承知で(もしくは違法の可能性を十分に認識した上で)ガザに対しての攻撃を行っている、と考えている自分の判断についても「そうではないかもしれない」という懐疑を持つことに致します。
それと、「本音の本音はイスラエルもパレスチナもどうでもいいんだろ?」的指摘については、まぁそう忖度して頂くのは勝手ですが、「本音の本音は」とか言い出したら何でも言えますよね、とだけ。それこそその点は証明不能でしょ。自分が「こうなんだ」と言ったところで「本音の本音は」とか「本当は違うんだろ」とか言い出したら、あらゆる人のあらゆる言説は否定可能でしょうし、まぁそれはそれで気持ちいいんでしょうけど、勝手にしてれば、とだけ。それ被害者の証言に対して「本当は賠償の金が欲しいだけだろ」と言ってのける連中とあんまり変わらないことをしているように思えますけどね、自分には。まぁあくまで自分の「印象」なので、「本音の本音」は違うのかもしれませんけど。以上、最後の段落は皮肉に加えて自分も陥りがちなので自省を兼ねて、ですので悪しからず。

P.S.各IDは「はてな」のものです。直接コールは飛びませんが、第3者の識別用として記載しました。

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