武本真樹夫氏の一連の発言、ポストについて/別題「蒼井そら」さんは全くどこも悪くありません。

まず自分は特段蒼井そらさんのファンでもなければ(というかそもそもツイッターでの発言内容自体、本件で初めて目を通したくらいで、あとはたまにRTされてくるのをチラチラ見てたくらい)、AVという業界に犯罪紛いの行為や犯罪に該当するであろう事例も存在するだろう、という前提の上で、以下。

■まず本件で取り上げる事案から省くもの。

1:相互フォローを求めたがされなかったことによる逆恨みの可能性(これについては本人の言以上のものは推定でしかない)
2:事前に彼女をAV女優と知っていたかいなかったか(これについては問題の本質から外れる)
3:他の著名人(他のAV女優を含む)に対して大量の相互フォローリクエストをリプライしている件(これもひとまず除外)
4:本年4月1日から教育評論家を名乗っている件(期間の長短は肩書には関係がないのでこれも問題とはしない))
5:ツイッター公式アカウントに対しての誤解(これは既に理解したようなので、以後言及しない)
6:自民党やカトリックといった所属の問題(これは所属先を含めた批判は行わない)

■以下該当事案について

まずこの提示において問題になるのは「悪影響」とは一体何を指すのか?という点である(モラル等の言葉はあるが具体的な指摘は一切ない)。
本件と関係がありそうな事例として、それが垣間見えるのは以下の言動であろう。

性教育とモラル

遊ぶ金欲しさに短絡的に「処女」を捨て売春行為に及んでいる。また、その受け皿があるというのが嘆かわしい。

アイドルの教育に与える悪影響を考えてほしい

私達が子どもの頃から「アイドルブーム」はあった。それは否定しない。
しかし、今のマスコミ。特にテレビ業界は「バラエティ」という言葉の意味をもう少し考えた番組作りをして戴きたい。
そして、甘い夢を描く「アイドル」が本当に「自分の理想とする職業かどうか」しっかりとした進路選択を保護者と共に望みたい。

ネット上での恋愛について

私は既婚者なので問題ないのだけれど、ネット上では「恋愛」に関するサイトや「結婚」に関する「コミュニティ」が乱立している。
中には幸せに相手を見つける人もいるだろう。
しかし、このような「恋愛ボケ」した醜女が多いのも事実なのだ。
殺したかどうか?私の判断では分からないけれど、もし、殺人を犯していたのなら、死刑を望む。
それが、この世にいるこの手の輩の見せしめになると思うからだ。

ここから垣間見えるのは
1:「処女」に対する価値の偏重
2:「アイドル」という業態への価値と現実に対する認識(ここに所謂ジャニーズのような男性アイドルを含有するかは不明)
3:「性(性行為)」を用いることへの美醜感
簡潔に言えば、「貞操」ということになろう。
しかし、同時に自分には「性」を商品とすることに対しての根深い憎悪が感じられてならない。
もちろんそういった感情を抱くこと自体には何等罪もないし、そういった考えが人生を豊かにする場合もあるだろう。
ぎゃくに、特に1の問題については、一定の価値観を女性に強要することになりかねないことは指摘しておいて良いだろう。
また、3の問題については売買春に対しての嫌悪もあるのであろう。
これもまた一つの価値観ではあろう。ただし、それに対して逆の価値観もまた存在するであろう。
売春産業に従事する人間、風俗産業に従事する人間が、小銭欲しさのこともあれば、生活苦のこともあれば、ダイレクトにセックスが好きだから、という理由もあるだろう(犯罪等はここでは除外する)。
一方で、単純にそれだけならここまで大ごとにならなかった気もするが、以下の発言と組み合わせると問題がややこしくなる。

「性モラル」低下の責任を誰が取るのか?ということを問う

元AV女優はメジャーになってはいけないのか?いいや、一向にかまわない。かえってAV業界という世界から「足を洗う」という意味では本人にとって良いことかもしれない。

とにかく、今の芸能界の「性モラル」の低さには眉をひそめるものである。
過去にも「風俗産業」があったことは確かであり、それに対する需要もあった。
しかし、それは「日陰の存在」であったはずである。

この発言における前提条件とは、どう考えても「AV」という産業の従事者を総じて「悪しきもの」「表に出さざるもの」として扱っている以外には考えられない。

どう考えても「グラビアアイドル」から「AV女優」までを低く扱い、そこから転身した先を高く置いているのであって、もはや「不可知」であるべき存在とでも言いた気ではある。
いつかの「生活保護受給者が道を歩いているのが許せない」と同レベルの、あからさまな「差別」としか言いようがない。
「職業差別」のつもりはない、と。差別する人間は少なからず「これは差別ではない」と言うものであるので、これについては「そうですか」としか言い様もない。
「日陰者であるべき」という視線そのものが、完全に「差別」なのだから、どう言い訳しようが成り立たないのであって、むしろ「自分は教育のためにそれを規制するのは止むを得ないというのが主張だ」とでも言ってくれた方がまだ清々する(認めるかどうかは別問題)。
「純潔は美徳だ」という意識は、それとして価値観の問題なので「そのために必要な教育」というのであれば、それは一つの考え方であろう(ただしこの場合も個人を標的にして攻撃するやり方は卑怯千万である)。

さて、その上で、

この発言における蒼井そらさんフォローリクエスト関係の時系列の問題は無視し、最大限好意的にこの発言を受け取るとして、以下のエントリを参照する。

福原に13歳ソープ嬢がいた!経営者を書類送検

捜査関係者によると、飲食店経営の男ら3人のうち1人が女子生徒と知人同士で、他の2人を介して店に少女を紹介。女子生徒は、知人の20代女性の身分証明書を提出するなどして採用され、約1週間働いたという。女子生徒は「遊ぶお金がほしかった。ソープなら早く稼げると思った」などと話しているという。

少なくとも、AV女優が(というよりもそもそもタレントという存在そのものが)、自分自身が最大の商品であることを知っている、という前提があるのだとしたら、そもそもその商品価値が何であるか、を事件の女子生徒は十分に承知していたはずである。だからこそ「早く稼げる」という話になるのであって、では彼女をそのような売春業へと誘ったのは一体何なのか?AVなのか?という点は全く無視して(関連性の証明なく)いるように思える。実際に以下のような発言もあった。

引き合いに出されたのまったく別内容のツイートで、はっきり言ってその女優が誰かは知らないけど、こんなものを引き合いに出して彼女を責めるのはお門違いにも程がある。金融詐欺があったから、とりあえず業界第一位のまったく無関係の某金融会社に対して「その商売やめろ。でなければ表に出てくるな」とでも言うのと大きな差異はない。
彼が事件をきっかけに本件に取り組んだにしても、「実際に触法となった13歳少女、及びその経営者」と「求人をしていたAV女優」と「蒼井そら」本人との間の関係性は微塵も感じられない。異なる状況を組み合わせて、あたかも関連があるかのように見せているだけで(実際にはそれさえ失敗していると言わざるを得ない)。

もちろん個別の事例から問題全体を炙り出す手法というのはそれとして有効な場合も多く、また議論の発端となることも多いのだが、今回のアカウント削除要求に始まる一連のものは、それにしてもあまりにも無茶苦茶と言わざるを得ない。

また、以下の点も参照に値するだろう。
「性」モラルの責任の所在は誰にあるのか?

さて、日本人の美意識は世界でも高く評価されている。江戸時代の浮世絵もその一つだ。その中に「春画」というジャンルがある。まあ江戸時代のエロ本だ。それに芸術的価値を見いだす人もいるので、100年後、今のAV嬢達の演技も「評価」される日がくるというのか?たった数万から数十万の現金がそんなに欲しいのか?では、それで何を買うのか「一流ブランド」のバックかアクセサリーか?遊ぶ金か?ああ、嘆かわしい。

このあたりから垣間見えるのは、性表現に関して「芸術か否か」という極めて主観的な選別でしかない。それとも今の日本のAVが「芸術」として「評価」されたら、途端に掌を返したりでもするのだろうか?
この「芸術かどうか」という視点は極めて恣意性が強く、また劇薬にも近い線引きであり、そのことは重々留意しておいた方が良いだろう。
ちなみに、まったくどうでもいい話だが、最近こんなことが話題にもなっていたことは書き添えておく。
【中国BBS】日中最大の差は技術の差ではなく人間の差?

・「AVが一番だとは言わないの?」
・「日本のAV技術は地球人には永遠に超えられない」

これを侮蔑と取るか感嘆と取るか称賛と取るかは人それぞれではあるだろうけど。

と、引用して記事を書いていたまさにこの瞬間、記事が削除されてしまったので、これ以上引用できなくなってしまった。

おかげでツイッターの引用もできなくなってしまったよ。キャッシュに残っているところからまだいくつかサルベージしたいので以下に。
※以下引用はツイッター上の発言より

そして、今回の私の問題提起も「相互フォローを断られた腹いせ」=苛めということで話が進んでいるようだが、改めて「世論」「民意」の怖さを感じる。まともな反論はあまりみていない。私も彼女に個人的な恨みはない。ファンの人とはtwitterで交流してほしい。

考えてみてはもらえないだろうか?蒼井そらさんのファンの皆さんは節度を守って、応援してくれたらいい。しかし、彼女が現役のAV女優という事実がある以上、私はこの主張を覆すつもりはない。未成年が手軽にアクセスできるネットという環境に、現役のAV女優にいてもらっては困るのだ。

この2つのツイートの差分はとても簡単で、「彼女がファンと交流するのは構わない」が「ウェブ環境に存在することは許さない」(じゃツイッターはどっちだ?)みたいな話で、結局のところ、この2つの、特にウェブ上での存在を許容するか否か、について昨晩からの一連のツイートとそれに対する賛否の中で、強気・弱気の間を揺れ動いていたのであろう(少なくとも一部の発言については決して否ばかりではなかったろう、とは思う)。

その後も

良識ある大人であれば分別もつくであろうし、もし仮に「働きたい」と思うかもしれない。それを止める力は私にはない。しかし、蒼井そらという個人としてtwitterをしているのだろうか?それは、ビジネスとしてではないのか?自分のセールスプロモートであろう。それを身近な友達と判断してしまう

というツイートがあり、AV女優なりタレントなりにとって、自身そのものが一つの商品である以上、それがプロモートであったとしても問題はなかろう。
仮にそれが「通学路における風俗店の看板/チラシが存在することへのモラル」であるとするならば、それはそれとして一つの問題提起ではあろうが、ざっと見た限り蒼井そらさんのツイートは、それこそ巷の一般人のツイートよりも余程節度もマナーも守られているし、それこそ「自身の商品としての価値」に極めて慎重で、また賢い対応だと言わざるを得ない。
従って、やり玉に挙げる対象がそもそも間違っている。

そもそも、

現代の日本の若年男性はDVD見て自慰するから彼女は要らないし、結婚もしないときたものだ。そういうことになると逆上してコンドームを学校で配るなどと言い出す輩が出てくる。性のモラルは大人の責任としてしっかり対処する問題。じっくり保護者会で話し合ってもらいたい。

これ自体が偏見の塊で、確かにそういう人もいるだろうが、彼女の有無、結婚の有無は人それぞれ固有の状況があるのであって、AVのせい”だけ”ではないし(もちろんそれが大きな影響を及ぼしているとも思わないが)、これにモラルなどを結び付けるのは、その他の要因を極めて軽く見ることに繋がりかねない。
これは簡単に言えば、表現規制界隈における「臭い物には蓋」という摘発・規制の理論とまったく変わらないのであって、問題の本質がそこなのかどうなのか、ということもすっ飛ばして(もしそれが問題なのだとしたら、それこそウェブという国境を超えるツールで広がりながら、その影響度に差が出るのか、については議論されねばならないだろう)、とりあえず「目に見える不快なもの」を叩いて悦に入っているにすぎない、と「思われても」しょうがないだろう。

即座にtwitterは、元AV女優である蒼井そら女史の公式アカウントを削除していただきたい。尚、彼女がtwitterでファンと交流することはやぶさかではない。しかし、元AV女優がネット上で出てくることを不快に思う人間が多くいることを付け加える。

さて昨日申し入れた元AV女優(この言葉にも違和感があるが)の公式アカウントはとれただろうか?私はtwitterの良心を試している。元AV女優が公式アカウントであることを不快に思っている人もいることを知ってもらいたい。

最初は全く事情が分かっていなかったので「中国国民」から嫌われている哀れな女性タレントかと、でも現役AV嬢だと聞けば中国国民の反応の方が正しいです。不快ですから「性」を商売に使う人なんて。

ただし、この一連の発言から推定して、武本氏自身にそこまでの教育論を求めるのは、自分としては無理だと感じている。
明らかに「快・不快」が先立っているし、「不快だから無くすべき」「不快だから潰して構わん」という発想が、それ自体差別の根強い、また本質的な動機であるからだ。
これが先だってしまえば、論理的整合性や論拠としての妥当性などは霞んでしまい、後付けでいくらでも組み立てていける。
そして、この嫌悪・不快がもっとも根源的動機であるからこそ、もっとも始末に悪い。
少なくとも、教育評論家であるならば、そのことは念頭に置いておいてから、改めてこのことを考えてみても良いのではないか?

残念ながらブログの関連エントリは全て消去され、ツイッターのアカウントも消されたようなので、この文章が届くことは恐らくないだろう、とは思うが、誰だって差別をそれとして自覚しそれが不合理であることに気付けば、そこから脱却はできるのだから(それが容易かどうかは別だが)、どうか自身に内在するそれに気付いて頂きたいものである。
秋には(このまま御破算にならなければ)著作も出るようなので、尚更である。

別に自分は武本氏にウェブ上での発言を止めて欲しいとも思わないし、気付けばそれで良いことだと思う。
だからこそ、SPAM報告のようなことはしなかったし、またツイッター上ではそのような行為を行うことに対しては自制の呼び掛けもした(効果は薄かったかもしれないが)。

謝罪文

謝罪文 この度は「蒼井そら様」ご本人、また関係者、ファンの方々の名誉を著しく侵害し、傷つけてしまいましたことを、ここに反省し、深くお詫び申し上げます。2012/04/17 16:26 教育評論家 武本真樹夫 拝
また、関連する記事につきましては削除させて戴きました。
今後も、お気づきの点があれば、何なりとご指導ください。
今回はご迷惑をおかけしました。
深く反省いたします。

この文章自体は極めてステレオタイプなものではあるが、一度ゆっくりと、何が問題視されたのか、そこは闘っても押し通すべき主張だったのか、それとも過ちであったのか、そこを考えてみても良いと思う。
また、貴方を批難したのが本当に「蒼井そらのファン」だったのか、どうか、についてはもっと慎重に、また冷静に確認すべきだったろう。今からでも遅くは無い、が。
大丈夫。自分も昔は差別を公然としてきた人間なのだ。それでもこの程度には気付くこともできている。貴方にそれができないとも思わない。できるかどうかはご自身次第ではあるが。

一つだけヒント(と、これだけ書いていて一つだけも何もないが)。
「処女」と「純潔」というのは、それを強固に求め、社会圧力化することが、それ自体として女性への抑圧と差別に繋がる危険性が高いものです。過去の歴史をいろいろと見てみると良いと思う。

※まだまだ言いたいことは山ほどあるが、本人の一連の発言やエントリも消されたようなので、一旦ここで終わりにする。
また、本記事を書くにあたって、削除前の彼が執筆していると思われる4本のBlogの全記事及び、昨年11月14日までのツイッターの全発言を遡って参照したことは明記しておく。

※また、本記事については武本氏または蒼井そらさんの希望があれば、記事そのものを非公開ないしウェブから下ろすことも検討しますので、その旨の希望があればお申し出ください。

※なお、本件に絡んで、その発言の妥当性・合理性ではなく、人格的批難(お前もAV好きなんだろ、とか童貞拗らせただろ、とか)を行った人は同じく反省した方が良いと思う。自分も後で発言の内容は再チェックしておくことにする(削除はしないが今後のために)。

※本件エントリのリンク先は、武本氏のBlog、ツイートに関しては謝罪文を除いて全て削除されていると思われるので、リンク先は辿れないのだが、念のためリンク自体は残しておく。

※なんか途中で発言からエントリからごっそり消されたので、腰折れ中折れ感でかなり中途半端な記事ですね、これ(苦笑)

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