政友会と民政党 – 戦前の二大政党制に何を学ぶか (中公新書)

本年11月22日発刊という、かなり急いで間に合わせた感が否めない同書ではあるが、得るものは少なくなかった、とも思う。

個人的には政友会(というか晩年の犬養毅と鈴木喜三郎、鳩山一郎)に対しての辛い評価と民政党(というより最後の総裁町田忠治)への相対的に高い評価もあって、そこのところにはいくつか疑問を抱かせるに足る示唆が得られた。
また、まったく不勉強な大政翼賛会の実態的部分の政党側・党人派の動向については、簡潔な記述ながら、気づかされる点も多く、まだまだ勉強が足らんな、と思った次第。

「戦前の二大政党制が失敗に終わったのはなぜか。その成立・展開・崩壊の軌跡をたどり、日本で二大政党制が機能するための条件を探る。」というテーマと、売らんがな、な帯(野田首相、安倍総裁の写真)で引っかかると、その点については結構微妙。あくまで二大政党の誕生から崩壊までを、党という要素に絞ってまとめたものなので、その他の要素(当時としては軍部・貴族院・枢密院・宮中・革新官僚・メディア)などの部分は間接的に触れる程度なので、現下の日本において自民党・民主党の二大政党制(と呼ばれるもの)が機能するための条件云々については、どちらかというとあまり内容もなくオマケ。
政友会が民政党に惨敗した後の自党の存在意義を見出すための奮闘ぶりや、逆に民政党政権が必ずしも十分に機能しなかった点、また大政翼賛会という存在の「中」における党人派の存在や行動については、数多の専門書を読むよりは、感覚的に掴みやすい記載も少なくないように感じた。

読み方によってはいろいろな(真逆なものも含めての)結論を出せそうな内容ではあるものの、投票前に一読しておくのも損はないと思う。

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